小びとの森
人里離れた深い森にたいへん賢い小びとたちが住む村があった。小びとたちは皆そっくりだったが、頭だけは赤色と青色の2種類があった。
小びとというのはおかしなもので、自分の村にいったい何人住んでいるのか誰も知らない。そんなことを調べようと思う者がいないのだ。まして赤頭が何人いるか、青頭が何人いるかなんて、まったく無関心だ。
呆れたことには自分の頭が何色なのかさえ知らない。森には鏡もないから自分で確かめる方法は何もない。
そのうえ、これが一番の理由だったが、他人の頭のことには決して触れてはならないというおきてがあった。
つまり、他人から自分の頭の色を教えてもらうことさえできないのだ。どうしてそんなおきてがあるのか、これも誰も知らなかったが、小びとたちはそのおきてを固く守ってきたからこそ、平和に暮らしていけるのだと思っている。
ところが、この頭のおきてを破らないまま、自分の頭の色がわかる時がやってきた。
この小びとの村では、百年に一度、400日にわたって開催される大きな祭りがある。
ただし、この「青頭の祭り」には青頭の小びとしか参加できないという決まりがある。
もちろん、誰も自分の頭の色を知らない。知らないうちは祭りに参加していいことになっている。
しかし、もし自分が赤頭だとわかったら、その日が最後、もう祭りへの参加は許されない。
翌日からはちょっと顔を出すということさえ禁止される。祭りの初日は、村人全員が参加する。集まった小びとは全部で400人。こうして村の人口が百年ぶりにわかった。
さらに、みんなひそかに、赤頭の小びとが何人いるか、青頭の小びとが何人いるか数えてみた。だが、おきてのため、このことは話題にされなかった。小びとたちは、それぞれ自分の推理だけで自分の頭が何色か判断しなければならない。
お待たせしました。問題です。
実はこの祭りの初日には青頭の小びとが200人、赤頭の小びとが200人参加していました。もちろん、小人びとたちは赤頭と青頭の割合をしりません。赤頭の小びとが祭りからいなくなるまで何日間かかるでしょうか?
答えは続きで。。。
200人では、数が大きいので
(1)仮に赤頭が1人(仮称A)、青頭が399人の条件で考えてみましょう。
当然ですが、他の399人は青なのですからAは自分が唯一の赤であると認識し、翌日には祭りに参加できない。
つまり、正解は2日となります。
(2)次に赤頭が2人(仮称A、B)、青頭が398人の条件で考えてみましょう。当然ですが、Aは、Bが赤頭であることを目視していますから、Bが上記(1)の思考を持ち、翌日からは祭りに参加しないであろうと推測します。当然BもAに対して同様の考えを持ちます。ところが、自分は「赤ではないだろう」と信じている、AもBも翌日祭りに顔を出します。双方は顔を合わせたとき「なぜ、今日もこいつはここに来ているんだ?待てよ、こいつは赤頭をした他の奴を目にしているんだ。それって俺しかいないよな!」と、なり、お互いに3日目に姿を消します。
同様に人数を増やしていっても、同じ考えが順次成り立ち、質問の答えは200+1=201日目の祭りには、赤頭は一斉に姿を消すことになります。